「自分の特性に気づくということ」

僕は今、21歳ですが日々の生活のなかで発達障害の特性に悩んでいます。

きっかけは中学生の時に発達障害の一つである自閉スペクトラム症と診断されたことでした。

と言っても、病院の先生から積極的に宣告されたわけではなく、高校生になってから、自分の人と違った特性はいったいどこからきているのだろうと気になって訪ねてみたところ、自閉スペクトラム症だと言われたのです。

小学生で初めて、病院の精神科に通い始め、いくつかの病院を転々としているうちに今の主治医の先生に出会いました。その前の病院では薬は処方されていませんでしたがその先生のもとに転院してから、処方されるようになりました。

薬が処方されているということは何らかの診断名があるのでは思ったのも、自分の特性がどこからきているのかを訪ねた理由の一つです。

診断名が自閉スペクトラム症であると聞いたとき、最初は少し混乱しました。発達障害とか自閉スペクトラム症といった言葉をあまり聞いたことがなかったですし、自分の困っている内容はすべて心の病気に罹患しているからだと思い込んでいたからです。

まさか病気ではなく障害だったなんて思いもしませんでした。

しかし、ほぼ初耳であった自閉スペクトラム症のことを調べていくうちに、だんだんと納得してきました。

なぜなら自閉スペクトラム症の特性が、今まで自分が困ってきたことに当てはまることが多かったからです。

空気が読めないとか、他人とのコミュニケーションが苦手であるといったことは、あまり当てはまらないと感じたものの、人とは違ったことへのこだわりの強さや、興味や関心の幅の狭さなどが、自分にピタッと当てはまったのです。

それまで僕は外出先などの他人が集まる場所で不安になってしまうということで引きこもりがちな生活になっていることに悩んでいたのですが、そうしたことが思考の偏りによって引き起こされてているのではないかと気づきました。

それ以来、不安な症状を改善するための方法が変わりました。

「○○ができない」「○○が不安だ」というときは、自分の思考回路が偏っていないかや、狭い考えに囚われて、決めつけ思考になっていないかを客観的に見直すようになったのです。

もちろん、それでも不安や恐怖が消えないことも多いです。

それでも今は以前と比べると、考えすぎて行動に移せないことが減りました。

さらに、不安ながらも何とか目的を達成できることも増えました。

そして不安でも、目的が達成できたからそれで良かったじゃないかと考えられるようになりました。そう考えることが、次の行動につながるのです。

現在は不安そのものを、できるだけ感じないようにするためにはどうしたら良いかを模索中です。

僕はあの時、中学生のうちに、診断名を聞けて良かったと思っています。発達障害が大人になってから判明する人もそれなりにいると言われています。

自分の特性に気づくことに遅いも早いもなく、大人になってから気づくのが遅くて良くないとは思いませんが、自分の場合はその前に気づけたことが、確実に今につながっていると感じています。

大事なのは、発達障害の特性を必ずしも悪く捉えないことだとも感じます。

その特性によって生活に何らかの支障をきたしている場合、本人や周囲の人は特性そのものを否定してしまいがちですが、特性は簡単に変えられるものではないので、特性はそのままで考え方に柔軟性を持たせることで社会に適用していくのが良いと思います。

まだ自分もぜんぜん完璧でないのに偉そうなことを書きましたが、僕はこれからも自分の特性を見つめ続け、柔軟な思考を意識することで、自分を助けていきたいと思います。